京極夏彦『絡新婦の理』

ネタバレ注意。

論理的に犯人を推理できる小説では無い。だって、手がかりはあるけど如何様にでも解釈できるんだもん。真犯人の予想はつくけどね。この書は小説として文章に身を任せつつ読むと楽だと思う。作者との知恵比べなら、第10章(新書版では、p.710)の冒頭で、読者は真犯人の予想ができるなら勝利だと思うが、論理的には無理だもん。できるのは、直感での犯人の予想。

それにしても人が死にすぎる。よく考えれば設定にも無理があるんだけど、読んでいる最中はあまり気にならなかった。とはいえ、いつものように面白し。