「無印良品が目指す、世界ブランドとは」

「福井デザインフェア2005」デザインセミナー(2005-10-9)
金井政明氏(株式会社良品計画・代表取締役専務)

定員100名のところ、席は6〜7割程埋まっていた。

以下、金井氏の発言のメモ・概要。発言そのままでは無い。

はじまり

無印良品のデビューは1980年12月。

現況

旗艦店が有楽町店。800坪で、年商50億円

<

p>日本では、シンプルと言われるけれど、

ヨーロッパでの評価は、
modern sophisticate innovative

スケルトン&インフィル
スプーンから住宅までモジュールを合わせる。
可変性 フレキシビリティ

cafe Meal

6店舗 8億円

花良品

四季を生活に取り込む
15店舗 10億円

めがね

最終デザインの工程をお客様にゆだねた。
フレームのフロントとテンプルとの組み合わせ。それを止めるネジは1つにしぼった。
数万通りの組み合わせ。

キャンプ場

3カ所

無印良品の出発点

堤清二の考えでは、
人間の論理≧資本の論理
資本の論理では、方向性が二つ。
・個別対応で個に対応。少量になり物が高くなる。
・安くすればどんどん売れる。

どちらも行いたくなく、
・物の本質以外を省く
・物の本質だけを大事にする
これが無印良品の出発

無印良品というネーミング

1.消費社会への批評

2.無名性 → デザイナーの名前は一切出していない。

3.合理性 クオリティは高くて値段は安く

4.横文字では無くて、漢字4文字 日本の美意識

納得・共感のおまけ付きで安い

83年

市場みたいな店を青山に出して知名度がアップした

80年〜

無駄を省く → 使い方自由・自在(シンプルな布地を大量に購入するお客様がいて聞いたら、生徒の刺繍の練習用にとのこと) → 本体とパーツ

88年〜

機能追求と信頼の裏付け → 素材の転用(パラシュートの布地を使った製品とか。失敗例としては、バスケットボールの素材でバッグを作ったが重くて売れなかった) → 伝統とモダン → 東洋と西洋

95年

組み合わせ・整合性(モヂュール) → システム化、ユニット化

田中一光のデザイン

ヨーロッパでは無く茶室の先にデザインがある。

2002年 百年の愚行という写真集

日本の精神文化と美意識

世界合理価値

→無印の新しいビジョン

「これがいい」ではなく「これでいい」
物足りなさや不満を払拭できる「これでいい」

1つは、地球規模の…

1つは、「素」を旨とする日本古来の美意識

無印良品の発想を世界に開く

ミラノサローネで2003年4月、コンベンションに参加
1年後にお店を出した時、ミラノは行列ができるなんてことはないのに、行列が出来た。

World MUJI  Found MUJI

世界の無印良品

生活の基本と普遍を目指す

質問に答えて

  • ヨーロッパで成功させた勢いでアメリカに出て行く
  • 店頭でお客様にデザイナーの名前を言う必要は無いと考えている。
  • デザイナーとの付き合いは増えているけれども…店頭はアノニマスである。

[memo end]

わたしの感想

83年に出した青山の店舗写真は市場みたいと言うだけあって、確かに乱雑性があった。現在の店舗とはまったく逆の方向性だね。

25年間でここまでの規模に育って来たのは順調だし確実だし、急成長して途中でポッキリ折れることの無い安心感がある。

最後に誰も質問しないのなら質問しようと思っていたこと。

私も無印良品は大好きで、ホントこんな商品が展開されている事自体に感謝だな、と思う。けれど、無印良品の店舗では、例えばセロテープの台座を無印のものを使うのではなくて、他の市販品のものを使ったりしていて、それは一体どういうことなのよ?(後でお店に行ったら、電卓も他社のもの)。

店舗自体の上質なシンプルさは、ユニクロの方が上回ってるかも。

無印良品のデザイン哲学と前回の中島英樹氏のデザイン哲学とは極端にコントラストをなしているね。

6,7年前にイギリスで買った無印の財布を私は使ってますよ。お気に入りです。

金井氏の話し振りは落ち着いていてゆっくり。私も見習おう。

常にデザインのことを考えていてそれを製品化にまで結びつけられるデザイナー(本当に一部の人達だけど)はうらやましいと思った。