京都カフェ研究:分類

京都の喫茶店・カフェ その分類


■すべてに渡り極めて洗練されたカフェ

カフェ巡礼者が必ず訪れるカフェが京都にはある点が、京都のカフェ文化の大きな強みである。これらのカフェは全てにおいて手抜かりが無いため、その隙の無さが逆に居心地の悪さと感じる人もいるくらいである。Dojiefishル・プチ・メックPapa Jon's修学院店を範とする。

■混沌とした京都のアートシーンを背景にしたカフェ

京都は学生が多いため、他の都市と較べてこのタイプのカフェが突出して多くまた質の高いものが幾つかある。また、アルコールの品揃えが多い傾向にある。太陽カフェサラサアンデパンダンが例となる。また、コミュニケーション重視のバザールカフェのような形態もある。

■他のお店+カフェ併設

複合タイプ。その相乗効果が極めてうまくいっているところもあれば、その逆に効果の薄いところもある。 ここ数年の京都におけるカフェの流行は、このタイプに拍車をかけ、様々な複合店が誕生した。服+カフェ、花+カフェ、雑貨+カフェ、アンティーク+カフェ、本+カフェが定番だったが、(実際の)ギャラリー+カフェ、眼鏡+カフェ、ラジオ局+カフェが加わった。また、本来バーに分類されるべき店鋪が、カフェを名のる傾向にもある。ライト商會、ジュンク堂のカフェが現在のカフェブーム以前にあり、最近は、neutroncafe voir clairラジオカフェが新しめの複合店である。

■コンセプチュアルなカフェ

コンセプト至上のカフェ。「アートシーンを背景にしたカフェ」や「他のお店+カフェ併設」と、一部、重なるカテゴリーである。例えば、YAMATOYAはジャズを特徴とし、それが支持されている。

このタイプを長く続けるコツは、規模を小さめにおさえ質を追求する点にあるように思う。大規模に行ったが撤退していった例が幾つかある。撤退例は、Blue Bear Cafe。

■観光客を主なターゲットにした喫茶店

残念ながら、主として観光客がメインとなる喫茶店は、最初は質が高くても、多くの場合クオリティが段々低くなる。この理由に関して記す必要は無いだろう。

■地域のコミュニティの場となっている喫茶店

いわゆる街カフェというもの。
地域の御近所同志が集まって和む場である。
通常のカフェの基準からすれば、概してすべてに渡りクオリティは低い。しかし、要は、歓談さえできれば良いのであるから、これで構わないとも言える。

具体的体験

(そのような街の喫茶店に行く私も私の気がしますが、これもカフェ巡礼者としての試練、いや趣味です。)

■いわゆる老舗

京都の老舗(しにせ)というのは、2代目、3代目と引き継がれてゆくことによって形成される。それ自体の質が高いかどうかはあまり関係が無い、と考えても、それは大きくはずれていない。あるいはこうも言える。長い間営業していれば、無条件に老舗となる。

日本のコーヒーの歴史と重ね合わせると、進々堂、築地、フランソア、静香はちょうど日本に喫茶店が広がった時期に創業している。

(但し、ネットで検索して調べたもので、正確さは保証できない)

全日本珈琲協会(http://coffee.ajca.or.jp/)によると、
1934年 このころカフェは全国で約3万軒に達した。
1935年 サロン風の喫茶店が大流行し、繁華街から学生街までブームが広がった。とのこと。