だるま屋少女歌劇

海邊ナンセンス

海邊(うみべ)ナンセンス。少女達の楽しげな様子。

海邊ナンセンス

○空も朗らか も朗らか 彼女達も朗らか 和田は時ならぬ歡樂鄕と化した

○元來が 喰ふことにかけては偉大な天分を持つた彼女達 あの小さい体でシユウマイ九つペロリと平げたのは誰? 書かれると困るので 人知れず手を出して十一貪つたのは誰? 知つてる人手をあげなさい

○午飯を終るとキツト寢ることにきめ ネコと仇名を貰つたのは にのある彼女です

○黑くなつた競爭で一等當選のM子 すると傍から異議の申立がある
曰く 生れ付ぢやモン アカン

○食つて食つて狸のやうな腹になるとレコードをかける 但し藝熱心なと感心しては困る 実は腹へらしにやるダンスだから

○又食ふことを書くが『御飯をオンボラーとよそつて頂戴』なんて少女の口から平氣でやつてのけるのですから 見上げたものです

○あまり素破拔くと 祟が怖いから これで止めます (報告係)

『少女歌劇タイムス 』 昭和九年九月号

実に楽しげ。
福井方言で、「オンボラと」は、「たっぷりと」との意味。でも、私は聞いた事はありません。最初この言葉の意味を考えた時、歌劇だから音楽用語のなにかかと思ってしまいましたよ。

今の女学生であっても、こんな感じじゃないかな。想像であり、そうあってほしいという希望ですけど。あくまでフィクションではあるけれど、女学生の青春を描く映画の雰囲気と似ている。