だるま屋少女歌劇

1934年(昭和9)2月:少女歌劇二月公演番組

ミス福井

宵の明星山の端出れば

粹な銀杏や島田をのせて

九十九橋上 行き交ふ俥

河岸の軒端に灯がついて

靑葉もれうるあの唄聲の

主は誰やら どの子やら

暁の明星巽に消えりや

靑い芝生に朝露光る

春は公園櫻の盛り

秋は不動の照る蔦紅葉

中に鎭まる大中黑の

旗は忠臣新田公

赤いお日樣東を染めりや

どつと織り出す工塲の織機

弱い乙女のもろ手ぢやけれど

糸の千筋にや眞心こめて

いとし殿御の肌身にそへば

うれし羽二重長襦袢

昔や殿樣葵の御紋

今ぢや絹織日本の寶庫

武士の子

ほんたうになつたお伽の國

みなさん

ピーター・パンをお忘れですか

ホーラ………ウエンデイお姉さんと ジヨンと マイケルの三人を お伽の國へれて行くといつて窓から飛出した……あのピーターを

ネ……思ひ出したでせう

さて……あれから いつたいどうなるか

くはしい話は 豆仙人がしてくれますよ