Cafe nuage VOLE(ニュアージュ ボル)

Side A

同じ音楽。
耳にしたのは、フレンチカフェ定番の曲だった。

ダークブラウンのテーブルと椅子。ろうそくのともし火。おそろいのボーダースタイルのセーターに身を包む店の人。
ここは洗練の極み。オーナーの意図とは違い、フランス田舎風、という言葉が脳裏に浮かぶ都会のカフェ。
田舎風都会カフェ。逆説的な響き。しかし、都会においてこそ、田舎は再発見される。

一組のカップル以外、周りは女性ばかり。会話のヴォリュームが高まり、すでにBGMを聴くことができなくった時、私は席を離れた。

Side B

君と私。私と君。ここは私にとって、インスピレーションが舞い降りるカフェとなった。
こんなにおしゃべりをする女性達。彼女達を見ながら、音がしないカフェの時間を思いつく。会話の手振り身振り、笑い声をあげる様子。しかし、音はない。そのような場に立ち会うことができる経験は、非日常である。ああそうだ。逆に、会話が聴こえるけれども、人の姿は無いという空間はどうだろう。きっとそれは愉快だ。

おしゃれなカフェでは見かけることの無い人達で埋め尽くされた空間。例えば、そうだ、秋葉原ファッションに身を包む人達が席を陣取りその手の会話繰り広げる。タイプしながら、さらに空想は広がってゆく。ゲイのカップルで埋め尽くされたカフェ。レズビアンでももちろん構わない。ただし、裸な人で埋め尽くされるイメージは、ここでは考えないでおこう。けれど、もっと大規模に考えてみると良いかも。ヌーディストの街。街全体がヌーディストのものであり、服を着た人こそ異端となるところ。

日常にめくるめくファンタジーを起こすには、あるものが無く、無いものがあるようにすればよい。簡単なことだよね。

http://nuage.alljapan.com/

福井市二の宮1-1-1(旧ピア前、ケンタッキーフライドチキンの横)
11:00-22:00(金・土・祝前24:00) 月休

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mikihiro