自分でいれる、手間?面倒?

どうしてこんなにおいしいの、と言えるくらい美味しいお茶をいれるのは、本当にやろうと思えば誰でもできることです。
だけど、誰もがおいしいお茶をいれているわけではありません。もう少し明確に言えば、美味しいお茶をいれている人はごくごく少数なのです。

理由の1つは、きちんと手順をふんでお茶をいれることが、手間で面倒だと、思っている人が多いからじゃないでしょうか。でも実際は、お茶をいれる手順を洗練することに意識を少し向ければ、手間でも面倒でもなく、リズムにのってテンポよくできるようになります。

日本茶。ティーバックでもなく、お茶の葉をパックに詰めるのでもなく、茶の葉をそのまま急須にいれること。
いつも同じスプーン・茶葉計りを使い、決まった分量をいれるようにしていれば、濃くするにも薄くするにも、この分量でこの味と、加減をつかめるようになります。横着をして、袋や缶から直接いれたりしないように。いつまでたっても、分量が定まらず味にぶれが生じることになります。
スプーン・茶葉計りを、缶にいれておくなり、すぐ手にとれるところに置いておくなり、工夫の余地はたくさんありますね。

お湯をわかします。保温ポットにお湯をいれておくというのも一つの手ですし、はやく湧かすことができるポットがあるので、それを使うのも良いでしょう。電気ポットでお湯を始終わかしておくのは、コーヒー/紅茶/中国茶には使えませんし、不経済なので、僕は使うことはありません。

お湯をさますため、一端、湯呑みか湯冷ましにいれます。 玉露なら60度ぐらいにまで下げるため何度か器から器へお湯を移し替えます。

急須にいれ、時計を見て時間どおり待ち、静かに注ぎます。内側で濾すことができるタイプの急須が使い勝手は良いと思います。茶漉しの使い勝手が僕には今一つ不満なので、まだまだ工夫しなければなりません。
時計を使えば、期待する味を生み出す確実性をあげることができると思います。

最後の手間に急須に残った茶葉の始末がありますが、急須に水をいれてざっと流しの底にセットした水きりに捨てれば簡単です。水切りのゴミはこまめにゴミ箱へ。ここら辺も、色々工夫の余地がありますね。

きれいにキッチンを使うコツの1つは、ふきんは汚れたらすぐ洗濯機へ、です。台所でふきんを洗って台所で乾かす、というのは、昔の話にしましょう。ふきんを何枚も用意して贅沢に使いましょう。

このように、洗練された様式を求めていくうちに、手間でも面倒でもない手順が確立します。
本当のところ、まずいお茶をいれること、飲むことこそ、時間とお金の無駄だと言えるかもしれません。おいしいお茶を飲むためほんの少し時間をかける。それは価値ある時間の使い方だと思いませんか。